2016年9月25日日曜日

2016-09-25 第11回 キング・オブ・ヒルクライム富士山 (KOH富士山)

KOH富士山は2年前オカさんに敗れて2位になって以来勝ちたかったレース。
去年は帰国直後で断念したため、2年振り2度目の挑戦となる。

前日に御殿場で宿泊。20:30頃に布団にはいたけどあまり眠れず。ただ眠れないこともあると思っていたので気にせず体だけ休める。翌2:30頃に起床。早起き過ぎだけどしょうがない。いつも通り串団子を摂取してトイレを済ませ、会場へ移動。
おおよそ4:00頃に水ヶ塚駐車場へ到着。2年前の反省を活かし、今回は懐中電灯持参のおかげで安心だ。真っ暗だったけど星がとてもきれいだった。
路面はウェット。所々に砂利があるのでパンクに注意が必要でした。
僕の場合、体を動かして食べる量を判断するので、だらだらとアップをする。暗すぎて実走できる環境ではないので、初めてレースのアップにローラー台を使用した。軽く汗を流してからゼリーを食べて、レース用ウェアに着替える。そのあとトイレに行ったりしている間に5:30からの下山リーダー打ち合わせに出席。そのまま車に戻らず6:00よりスタート地点に向けて下山。
ウェアを駐車場か下山後に預けるか選択できたけど、僕は駐車場で預けた。第一ウェーブのスタートは100人以上で、スタート地点荷物預けで手間取ると最後方スタートになる可能性があるからだ。ツールド八ヶ岳みたいな序盤アップダウンなら簡単に先頭に出られるけど、KOHは急坂スタートなので後方はキツイ。そんな訳でビニル袋をジャージの下に入れてウィンドブレーカー代わりにしながら下山。やっぱり寒かったけど、我慢できないほどではなかったので、良しとする。

そのまま流れでスタート先頭位置をゲット。先頭スタートだから今度こそ広報写真に写るか?とか馬鹿なことを考えているうちにスタート時刻が迫る。同じく先頭には台湾から来た女性レーサーがいたが、「スタート一分前!」などの日本語が分かっていなかったので、簡単な英語でフォローする。主催者側は海外勢を呼ぶならちゃんとフォローしてほしいと思う。
と、文句を思いながら7:00になり出走。


結果:U-30 優勝 1:25;35 (総合5位)
クリートキャッチ成功。後ろから舌打ちされずにすんだ。
「余裕のある人はミス富士山とミス富士山グランプリとハイタッチしましょう」などという危険極まりない主催者の声を無視し、スタートから先頭に出てペースを上げる。まずは後方への先制攻撃だ。と思っていると、同じくU-30の選手がダンシングで一気に飛び出る。が、バンザイアタックにしか見えないので無視し、落ちてきたところをパスする。そのままペースを刻んでいるとエリート、U-20、U-30のトップ陣が追いついてきたのでそのまま先頭交代し、集団コントロールをエリートに譲る。序盤はエリートのペース走を追走して、同クラス(U-30)を絞る。しかしただ走ってるだけでも300Wを常に超えており、要所要所で脚の力を抜くように意識して走った。
少し下がって集団をチェックすると、U-30でついて着ているのはイイヅカ君のみ。彼は昨年のU-30優勝者で今年も僕は彼に一敗しているため、今回最も警戒している選手だ。

そうこうしているうちに先頭集団はエリート:6名+U-30:2名となった。序盤のつづら坂の後は料金所まで勾配の変化がある直線道路だ。ここでエリートの優勝者が勾配の浅い区間を使って繰り返しアタックを仕掛ける。集団は縦長になり、400W以上のインターバルを繰り返す羽目になった。再度後ろに下がるとイイヅカ君の姿が無い。このアタックで落ちてくれたのはラッキーだけど、僕が落ちたらカウンターでやられるので必死に食らいつく。結局優勝者のアタックは成功し、料金所前の時点で1人先行。更にもう1名が追走、残ったエリート4人とU-30の僕で先頭集団を形成し、料金所を通過した。

この時点でU-30の選手は後方に見えないため、後はエリート集団から千切れるまでにどれだけのマージンを稼げるかが勝負となる。料金所を越えてからの勾配の浅い区間は集団のメリットが大きいので着いて行きたいが、エリートも勝負がかかる区間なので、前2名を追うべくペースが定まらない。そんなこんなのうちに1名が脱落し、僕もついに千切れる。この時点でスタートから50分程経過。残り区間で今年の練習の真価が問われる。

KOHの特徴として、定期的にある平坦区間が苦手なので、無理にそこでパワーを出さず、勾配の大きい区間でパワーを落とさないようにしながらペース走を刻む。こういう時パワーメーターがあるとペースコントロールがやりやすくて助かる。とは言いつつも、20㎞を過ぎたくらいで自分の出力が落ちつつあるのを感じる。序盤からエリートのドンパチに付き合った反動だろう。ついついケイデンスが落ちがちになるのに注意しながら240Wくらいのペースでやり過ごす。終盤になり、ついにインナーロー(36x28)を使う機会があったけど、残り距離を考えながらつづら坂区間はダンシングを多めにしてペース維持を心掛ける。また、今までの努力を無にしないため、パンクしないよう路面状況に一層注意するようにした。

ラスト2~3㎞地点でエリートを1名捕捉。競う意味もないので、ダンシング多めのペース走でパス。
ラスト1㎞地点で「標高2300m」の看板を確認。ゴールは2400mなので、単純にラスト1kmは平均10%か・・・と計算してしまい、心が少し折れる。実際後続も来なかったのでペース落ち気味だったけど、それくらいはいいだろう。

そのまま最後のつづらをダンシングでゴールまで登り切る。

年齢別だが、ついに富士山を制した。
1時間25分36秒。2年前より4分も速い。
まさに今季ヒルクライムの集大成となった。

レース中は快晴。晴れの富士山は走っていて本当に気持ちが良い。
ただ乗りさせて頂いたエリートの選手に挨拶した後、U-30のゴールを確認。序盤に突き放すのに成功したイイヅカ君だが、1時間28分代という好タイムで2位ゴール。更に3位の選手もイイヅカ君とゴールスプリントで28分代。4位もそれくらいだった気がする。今回僕は25分台と予想外の好タイムだったけど、エリートのトレインに乗り遅れていたら展開は違っていただろう。まぁ「たられば」を語ってもしょうがない。


その後は事前に志願していた下山リーダーとして、下山の誘導をした。第4グループ位で、初心者の割合も多いため、先頭は30㎞/h以下で下山。200m位の列になるので、先頭のペース変動が与える影響は大きい。ゆっくりと影響の出ないようなペースで走ったが、残念ながら落車した人もいたらしい。また、整備不良でチェーン・ブレーキに異常をきたす輩もいたようだ。言い方は悪いけど、整備も出来ていない自転車でレースに来ないでほしい。巻き込まれた方はいい迷惑だ。
そんなこんなで下山、表彰式を終えて帰宅。
26.5㎞、1800mアップ
満足度の高いヒルクライムレースでした。
KOHチャンピオンジャージ&金メダル
ようやく手が届いた。素直に嬉しい。
反省・感想
中盤過ぎまでエリートのペースに耐え、U-30の突き放しに成功・・・2年前は序盤にエリートのペースに耐えられずオカさんを逃してしまっての2位。今回は逆に、スタートから自分でハイペースの流れを作ってからエリートに引き継ぎ、そのペース走でライバルを振るい落とすことに成功した。無理にエリートのペースに合わせず、イイヅカ君をマークする手もあったのだが、他U-30選手のオーバーペース走を促す意味でも先行したかったし、それに耐えうるフィジカルを鍛えてこれて良かった。今年になって最大出力の向上に励んだ成果だろう。実際エリートがいなくても同様に突き放しの戦術を考えていたので、いずれにしても練習の成果だ。

ペースの判断・・・後半単独になってから苦手としている平坦気味の区間を低出力で乗り切り、勾配のある区間で出力を落とさないように走りこむことで速度を維持した。現実問題として平坦気味区間での走り方は依然下手だけど、現時点ではこの走り方が一番無駄が無い。また、残りの距離と体力を考えてダンシングを増やしたのも良かったと思う。普段峠TTをすると心拍数は180位になるけど、今回も同程度で190に届いていなかったから、安定したペースで走れたのだろう。
アベレージパワー・・・レース後にメーターを見て「面白いな」と思ったのは、レース全体の平均パワーが270W強だったということ。FTPを280W位に設定しているので、かなり近い値だ。実際レース中は400W前後でアタックに応じたし、終盤6kmはAve240Wだったけど、レース全体で評価するとおおよそFTPに近い値となった。1時間超えのレースと考えれば更に妥当な数値と思える。不思議だなぁ。

殆ど上ハンドルのポジションで登坂・・・僕自身調子のよい時はブラケット、悪い時は上ハンで登っていると意識していたので、自分が上ハン握っているときは不安だったけど、悪くはなかった。今回エリートのトレインにただ乗りしたけど、その中で心掛けたのは「如何に楽に走るか」で、深呼吸と低パワー、重すぎないギア比を意識した。その結果が今回のスタイルだったが、レースの状況によって走法も変わるので、あまり気にしないようにしよう。結果的に勝てれば何でもいい。

レース運営について・・・このレースはバイクナビグランプリ主催なのだが、参加させてもらっておいて少々文句がある。
①トイレの少なさ・・・集合地点の駐車場に仮設トイレが全く整備されていないので、レースギリギリまで大混雑。僕は影響を受けなかったけど、毎年やっているんだからフィードバックしてもらいたい。コストの問題もあるんだろうけど、それこそ参加費に上乗せするなりで対応してほしい。
②下山リーダー管理・・・荷物預入について主催者側の認識が曖昧で、具体的には書かないけど僕はいくら話しても伝わらず、非常に迷惑しました。ゴール後に防寒着が届いていないと最初連絡を受けた時は散々抗議しました。草レースでボランティアの方々が上手く動けないのはしょうがないと思うけど、ノウハウのある主催者側でこの体たらくは何とか改善してほしい。
③参加賞・・・これは別に文句じゃないのだけど、せっかく「富士山を登る!」レースなんだから、完走賞以外に簡単な参加賞(靴下でもいいから)くらいあった方が良いと思いました。他レースだと計測タグ回収時に渡したりしてるけど。これも予算の関係なのかなぁ。

下山グループの反応・・・2016年の箱根HCに引き続き2度目の下山リーダーを担当。今回のグループはより初心者が多いので何度も後方確認をしてペースに注意したけど、驚いたのが誰も先頭のサイン・号令を復唱しないこと。僕は先頭のサインはどんどん後ろに伝えていくものだと思ったけど、「ブレーキ」や「歩行者注意!」と叫んでも誰も復唱しなかったのでびっくりした。レース中でさえお互いの安全を確保するために声掛けをするが、そういった経験の少ない参加者には伝わらないのだろう。こういった点を下山時に運営側から「集団走行のマナー」として説明するとリスクが小さくなると思う。


段々つまらない感想が続いてしまったが、2014年から本格的にヒルクライムレースに参加するようになり、ついにチャンピオンジャージを獲得できた。大学で自転車競技に出会ってから一度は欲しいと思い走り続けてきたが、ようやく手が届いた。
(実は2012年の日産エンデューロでも優勝ジャージを獲得しているけど、あれは市販品なのでノーカンとする。)
ずっと目標にしてきたKOHで、頑張ってきた成果がようやく出た。上位に90分切りする選手が複数いる中で成果を出すことが出来た。
今シーズンは残すところロードレース3戦。
仕事がら来年以降走れるかもわからないので、11月の沖縄まで悔いのないように、引き続き頑張ろう。

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